さくBは折り紙を折っている

saku B is folding origami.

星型八面体スケルトン

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創作:さくB
1:√2長方形 12枚折り。

星型八面体のスケルトン。

フラップをくぼみに引っ掛けるタイプのユニットで、くぼみが浅いためにフラップがたわんでしまってボツになっていた作品です。

でも、写真で見ると「こういうのもありかなあ」という気がしてきて、改めてブログで紹介することにしました。

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タイトル未定。六角形チェッカー模様の切頂八面体

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1:ルート3長方形12枚折り

ユニット折り紙創作家でVTuberの豊穣ミノリ(みのりん)の配信を見て思いついたユニット折り紙。30枚折りも可。

切頂八面体や切頂二十面体など、正六角形がメインとなる多面体で、正六角形同士が共有する辺を1ユニットにするという制約からこの模様が生まれました。

配信とは少し違うエリアを1ユニットにしました。多面体のどこをひとつのユニットにするか、どこで区切るかで別の模様のユニットが生まれたり、折りやすさ組みやすさが変わるところがユニット折り紙創作の面白いところのひとつですね。

普段はできるだけ穴のないソリッドなユニット折り紙を作ろうと心がけているのですが、今回は配信と同じ穴あきスタイルで作ることにしました。

できるだけ無駄のないように折り方を考えていますが、それでも紙が余る部分があるので、そこをいじれば色々な模様を作ることができます。

でも、配信のメインテーマであるパンジーを綺麗に表現することはできませんでした。

他の人がユニット折り紙を創作しているところを見ると「こういう方法もあるのでは?」とか「そこは少し変えてみたい」とか思って自分でも作りたくなるし、一方で「なるほど、そんな方法もあるのか」とか「それはダメだと思ってたけど案外うまくいくのか」とか色々勉強になって、新しいユニットを思いつくこともあります。

この作品みたいに配信がなかったら生まれなかったユニットがいくつかあるので、いつか何かの形で(できれば折り紙関係で)お礼ができたらいいなあ。

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さくBの折り紙の本が出版されています。

※件の配信はこちら

4魚の基本形ユニット

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創作:さくB
正方形12枚折り

以前、エカテリーナさんのparadigmaが手もポケットもないのにどうしてユニット折り紙として成立するのか考えてみたことがありました。

そのときの成果として、paradigmaは1枚の折り紙を4分割したとき、その全ての部分の折り筋は同一で、角度が90度回転したものだということがわかりました。

そして、その同一の折り筋を重ね合わせることではずれなくなっているのでした。

このユニット折り紙の組み立て方を勝手に「paradigmaメソッド」と呼んでいるのですが、今回はそのparadigmaメソッドを使ってユニット折り紙を作ってみました。

と言っても、ただの魚の基本形です。

ポロポロと崩れて組み立ては非常に難しいですが、全て組み上がれば安定します。

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さくBのオリジナル折り紙作品の折り方が掲載されている書籍、
「天空の折り紙」はamazonで。

折り紙でライオンを折った

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「ライオン」

不切正方形一枚折り

20cmくらいのダブルカラペから。

 

豚の基本形をいじっていてできたもの。

足や顔は折りが細かく、

後ろ足はすごく分厚い。

 

前に作ったグレイシアと同様に

尾が3本出てくるので

2本は内側に隠しています。

 

たてがみが平面的な三角形の組み合わせで表現されていて

なかなかおもしろいと思います。

 

 

 

折り紙でポケモンのグレイシアを折りました

ポケモンのグレイシアです。

不切正方形一枚折りです。

 

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 「豚の基本形って使いにくいなあ」

「豚の基本形でなにか作品できないかなあ」

と思っていじっていたらできた作品です。

 

頭部から垂れているネクタイ状のものは

折りフチによって表現することで紙効率を上げています

 

これを完全に分離、独立させるとなると

かなりの領域が必要になります。

 

こういう工夫は設計段階では思いつきにくく、

実際に紙を動かしていくほうが得られやすいのだろうと予想しています。

 

ちなみに、尾となるカドが3つ出てきてしまうので

うち2つは内部に隠しています。

 

折角稼いだ紙効率も台無しです。

 

それから、同じ基本形からもう1作品作ったので

それも後日公開したいと思います。

 

3つの正八面体スケルトンの複合多面体

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正八面体スケルトンの複合です。
1:2の長方形が6枚、
1:1の正方形が12枚です。

黄色い立体と紫色の立体と水色の立体が
それぞれ同じ形状で
互いに交差しています。

複合でない単品の正八面体スケルトンは
45度や90度といったシンプルな角度のみから
なる立体です。

なので、これを複合にしても
そこまで複雑な角度にはならないだろう
と予想していました。

実際、簡単な比率の紙から
簡単な折りによって
基準点を出すことができました。

問題は強度と厚みで
点対称のみの対称性のユニットの場合
自然と渦を巻くように
ズレが重なっていきます。

一般的にこのタイプのズレは
問題になりにくい気がしているのですが、
このユニットの場合は
組んだユニットが崩れる
原因となってしまいました。

仕方なく上下左右対称も持つユニットにしました。

このせいで紙の比率が1:2になっています。

組み方の都合で紙に皺がよったりして
あまり綺麗に仕上がらないのが難点で
できるだけ皺が気にならない紙を使うといいと思います。

あ、あと高級コンデジ買いました。
動画撮影と作品写真撮影用に。

円領域と帯領域

第六回折り紙創作解説シリーズの動画が投稿されました。

 

以下、初期原稿です

木構造から展開図、展開図から基本形へ
これらを自由に行き来できたとき
あなたは創造主になる

こんにちは、さくBです。
今回は円領域や帯領域についてお話します。
まず、折りたい対象物を棒人間のように
木構造で表してみましょう。
関節を節点として、腕や足を線で表します。
この線のことを枝と呼びます。

実は、ロバート・J・ラングさんのTreeMakerを使えば
木構造から展開図を得ることができます。
そのアルゴリズムを解説するのは難しいので
この動画では逆に、
展開図から木構造を得る方法について考えていきましょう。

さて、ここに一枚の22.5度系の展開図を用意しました。
この展開図は全体として一値性を持ちます。
この展開図を折りたたんでできる基本形は
どんな木構造でしょうか。

それを求めるためには、円領域、帯領域の知識が必要です。
展開図上で折り線が一点に集まる部分はカドになります。
その点を中心とする小さな円を書きその円を少しずつ大きくすると、
どこかで円周と接する折り線があるはずです。
そのときの円の半径がカドの長さになります。
この円のことを円領域と呼び、
その半径と同じ長さのカドを確保するために必要な領域を意味しています。
では、円周が折り線と接する最小の円を
カドとなる部分に書き入れてみましょう。
円領域どうしが接している部分もあれば、
円領域と円領域が離れている部分もあります。
円領域が接している部分は、木構造で言うところの分岐に相当します。
カドが枝分かれする部分です。

さて、あるひとつの分子に着目してみましょう。
この分子だけを抜き出して考えると、
3個のカドができ、それらの円領域は互いに接します。
折りたたんだものを上から見るとYの字のようになっています。
ところがすでに書かれている円領域はもっと小さく、
互いに離れています。
カドの長さは隣接する分子の折り線によって変わってくるのです。
そして、小さな分子単体で見たときの円領域の円周は
木構造の節点と節点の距離に関係しています。
(節点とは分岐点のことです。)
今度は小さな分子ごとに円領域を書いてみましょう。
ただし、描く領域は分子の内部のみにします。

うねうねとした帯状の領域が現れました。
これを帯領域と言います。
帯領域は節点と節点の間の部分を表しています。
人間や動物で言うと胴体の部分です。
帯の幅が胴体の長さです。
実際に折り紙で折った基本形の胴体的な部分をはさみで切り取ると
このような形になります。
胴体部分には、展開図の帯領域部分が割り当てられていることがわかりました。

ここまでくれば、この展開図から木構造を得るのは簡単です。
円領域を外側の枝、帯領域を内側の枝とすれば
すぐに木構造を書くことができます。

これまでは22.5度系について見ていきましたが、
他の角度系や蛇腹でも基本的には同じことが言えます。
蛇腹の例も見てみましょう。
蛇腹のほうはもっと簡単です。
純粋で簡単な蛇腹作品の場合、
円領域は正方形ですし、帯領域も正方形の集まりです。
つまり、カドの長さや節点どうしの距離は整数になります。

グリッド上に円領域や帯領域を配置して蛇腹系作品を創作する方法を
横分子蛇腹法と呼ぶそうです。
横分子蛇腹法はカドの長さや位置関係を確実に決められる点で優れています。
一方で、円領域が正方形になっているので
紙の効率が悪くなりやすいという欠点があります。
ちなみに横分子蛇腹法では、
帯領域をぐねぐねと寄り道させることによって
不要な領域を埋めることができます。
詳しいことは「横分子蛇腹法」などと検索すると
昔、とある掲示板に書かれた
めぐろさんという方による解説の情報が得られます。

さて、今回は円領域、帯領域についてお話しました。
今後も視聴者さんからのリクエストによって
もしかしたら解説動画を投稿するかも知れません。
それではまた次回お会いしましょう。
おやすみなさい。