ちょっとしたパラドックス的なものを思いついたので紹介します。
4つの箱があって、そのどれか1つにりんごが入っています。
箱を外から見ても、どの箱にりんごが入っているかわかりません。
あなたは4つの箱をすべて開けて良いけれども、
できるだけ早くりんごを見つけたいと思っています。
つまり、1個目に開けた箱にりんごが入っているのが一番嬉しくて、
最後に開けた箱にりんごが入っているのが一番嬉しくないです。
さて、より早くりんごを見つけるために、
どのような順番で箱を開けようか考えています。
便宜的に、箱には1番から4番までの番号が割り当てられているとしましょう。
あなたは開ける順番を4つ考えました。
開ける順A:1→2→3→4
開ける順B:2→3→4→1
開ける順C:3→4→1→2
開ける順D:4→1→2→3
4つの順番のうち、どれが一番早くりんごを見つけられるか、
比較してみることにしました。
ちなみに、りんごが1番の箱に入っている確率も
2番の箱に入ってる確率も
3番の箱に入ってる確率も
4番の箱に入ってる確率も
全く同じで、必ずどれか1つにだけ入っています。
では、開ける順Aと開ける順Bを比較してみます。
開ける順A:1→2→3→4
開ける順B:2→3→4→1
1番の箱にりんごが入っていた場合、
開ける順Aのほうが早くりんごを見つけることができます。
2番の箱にりんごが入っていた場合、
開ける順Bのほうが早くりんごを見つけることができます。
3番の箱にりんごが入っていた場合、
開ける順Bのほうが早くりんごを見つけることができます。
4番の箱にりんごが入っていた場合、
開ける順Bのほうが早くりんごを見つけることができます。
まとめると、開ける順Aと開ける順Bでは
開ける順Bのほうが75%の確率で早くりんごを見つけることができます。
なので開ける順Aより、開ける順Bを採用したほうが良さそうです。
今度は、開ける順Bと開ける順Cを比較してみましょう。
開ける順B:2→3→4→1
開ける順C:3→4→1→2
1番の箱にりんごが入っていた場合、
開ける順Cのほうが早くりんごを見つけられます。
2番の箱にりんごが入っていた場合、
開ける順Bのほうが早くりんごを見つけられます。
3番の箱にりんごが入っていた場合、
開ける順Cのほうが早くりんごを見つけられます。
4番の箱にりんごが入っていた場合、
開ける順Cのほうが早くりんごを見つけられます。
まとめると75%の確率で、開ける順Cのほうが早くりんごを見つけられます。
なので、開ける順Bよりも開ける順Cを採用したほうが良さそうです。
次は開ける順Cと開ける順Dを比較してみましょう。
開ける順C:3→4→1→2
開ける順D:4→1→2→3
3番の箱にりんごが入っていた場合は
開ける順Cのほうが早くりんごを見つけられますが、
それ以外の場合は開ける順Dのほうが早くりんごを見つけられます。
つまり、75%の確率で、開ける順Dのほうが先にりんごを見つけられます。
なので、開ける順Cよりも開ける順Dを採用したほうが良さそうです。
これまで、より早く見つけられる可能性の高い「開ける順」に乗り換えてきたわけですから、
開ける順Dが一番早くりんごを見つけられるのでしょうか。
ここで、(何を血迷ったか)あなたは開ける順Dと開ける順Aを比較してみることにしました。
開ける順D:4→1→2→3
開ける順A:1→2→3→4
4番にりんごが入っていた場合は開ける順Dのほうが先にりんごを見つけられます。
4番以外の箱にりんごが入っていた場合は、開ける順Aのほうが先にりんごを見つけられます。
つまり、75%の確率で、開ける順Dよりも開ける順Aのほうが先にりんごを見つけられるのです。
あれ?おかしくないですか?
結局どの順番で開けるのが一番早くりんごを見つけられるのでしょうか。
開ける順A:1→2→3→4
開ける順B:2→3→4→1
開ける順C:3→4→1→2
開ける順D:4→1→2→3